
今から60年ほど前のこと、サルバトール神父様は大学の夏季休暇中に兵庫県の仁川修道院へお手伝いに行きました。そしてお手伝いの合間に大学で履修していた自然人類学のレポートのために猿の写真を撮りに宝塚ファミリーランドや箕面の猿の出る山へ行きました。
ある日、サルバトール神父様宛に暑中見舞いのはがきが届きました。修道院でお手伝いをしていた長崎出身の信者さんはその宛名を見てこう思いました。確かによく「猿ば(を)撮る」神父様に違いないが、宛名にそのように書くのは失礼にあたるのではないかと。このことを周りの人に話したところ、サルバトールとは救い主という意味の修道名だったことが分かり、少し恥ずかしい思いをしたそうです。
※長崎の方言で「~を」を「~ば」といいます。

聖母の騎士 2025年4月号より掲載